【基礎】生物学的利用度
今回は、基礎栄養学から「生物学的利用度」について勉強しましょう。
私たちが食べたものは、すべてが消化・吸収されるわけではありません。
消化・吸収されなかった分は、便として排泄されてしまいます。
食べたもののうち、どれくらいの量を消化・吸収できたのかを示す指標を「消化吸収率」といい、「見かけの消化吸収率」と「真の消化吸収率」の2つが存在します。
では、この2つの消化吸収率、いったい何が違うのでしょうか。
見かけの消化吸収率と真の消化吸収率の違い
見かけの消化吸収率
見かけの消化吸収率=(摂取量-糞便中の排泄量)÷摂取量×100
で算出することができます。
食べた量から排泄された量を引く・・・なんてシンプルなんでしょう。
これが見かけの消化吸収率です。
[例]
食品を100g食べました。そして、便が20g排泄されました。
このときの見かけの消化吸収率は、(100g-20g)÷100g×100=80%
真の消化吸収率
真の消化吸収率={摂取量-(糞便中の排泄量-内因性損失量)}÷摂取量×100
で算出することができます。
実は、便の中身は、食べ物由来のものだけではなく、消化管の表面が剥がれ落ちたものや腸内細菌なども含まれています。
これを内因性損失量といいます。
つまり、便中に内因性損失量が含まれているなら、その分を差し引いてやらないと、正確な消化吸収率とはいえません。
ここまで考慮した消化吸収率のことを、真の消化吸収率といいます。
[例]
食品を100g食べました。そして、便が20g排泄されました。
しかし、この便20gのうち10gは、内因性損失量でした。
このときの真の消化吸収率は、{100g-(20g-10g)}÷100g×100=90%
つまり、見かけの消化吸収率と真の消化吸収率では、真の消化吸収率の方がより信頼度が高いものになります。