【教育】カウンセリング技法
今回は、教育から「カウンセリング技法」について勉強します。
カウンセリングとは、クライアント(相談者)が抱える問題や悩みに対して、
カウンセラー(専門的な立場から指導・助言を行う人)が心理学的な技法を用いて援助していくことです。
栄養カウンセリングの場合、カウンセラーが栄養士や管理栄養士、
クライアントが患者さんなどにあたります。
カウンセリングの基本は、クライアントとのラポール(信頼関係)の形成です。
カウンセラーはラポールを形成するために、どのような技法を用いるのかみていきましょう。
■質問方法
・閉ざされた質問
閉ざされた質問は、「はい」「いいえ」のように回答内容が限定される質問です。
例:「昨日は、3食召し上がりましたか。」
例のように質問されると回答は「はい」か「いいえ」の2択に限定されます。
・開かれた質問
開かれた質問は、自由に回答できる質問です。
例:「食生活で気になることは、どんなことですか。」
例のように質問されると、回答が限定されることなく、自由に回答することができます。
■傾聴
傾聴は、相手の話を十分に聴くことです。
まずは相手の話にしっかりと耳を傾けることが大切です。
■受容(無条件の受容)
受容は、クライアントの感情や言葉を無条件に受け入れることです。
例:食事療法を拒否している患者に対して、「食事療法は、やりたくないと思って
いらっしゃるのですね。」と言う。
例のように相手の気持ちをそのまま受け入れてあげるのが「受容」です。
■共感的理解
共感的理解は、クライアントの気持ちをあたかも自分のことのように感じとることです。これは、同情とは区別されます。
例:体重が減らず、減量をあきらめようとしているクライアントに対して、「がん ばっても減らないと、がっかりしますよね。」と、言葉を返す。
例のように相手と同じ立場に立ち、同じ気持ちを感じようとするのが「共感的理解」です。
■沈黙の尊重
沈黙の尊重は、考えをまとめているときや気持ちを整理しているときの沈黙の時間を大切にすることです。
相手が話し出すまで“待ってあげる”ということも大切なことです。
■感情の明確化
感情の明確化は、うまく言葉にならない気持ちを、カウンセラーが代わりに話をまとめ、言語化してくれることです。
■繰り返し
繰り返しは、クライアントの話した内容のポイントを整理して本人に伝え返すことです。
■要約
要約は、話の大事な箇所で内容を要約する(要点を短くまとめる)ことで、
クライアントの考えや気持ちを整理させることです。
■非言語的表現
非言語的表現は、声の特徴、表情、身ぶりなどで示される表現のことです。
管理栄養士にとって、クライアントとのラポールの形成はとても大切になってきますので、カウンセリング技法をしっかり覚えておきましょう。