【応用】母乳栄養
今回は、応用栄養学から「母乳栄養」について勉強します。
■乳汁分泌の機序
~妊娠中~
エストロゲンやプロゲステロンの作用により、乳腺組織が発育します。
また、プロラクチンの作用により乳汁産生が行われますが、
分娩前は「胎盤エストロゲン」の働きにより、乳汁分泌が抑制されています。
妊娠中に乳汁分泌が起こらないのは、この「胎盤エストロゲン」の調節によるためです。
~分娩後~
胎盤が排出されると、エストロゲン(胎盤エストロゲン)が減少し、
乳汁分泌を抑制していた力が弱まります。
その結果、乳汁を産生する「プロラクチン」や
射乳を促進させる「オキシトシン」の分泌が促進されます。
■初乳・成乳
生後3~5日に分泌される乳汁を“初乳”といい、
生後10日以降に分泌される乳汁を“成乳”といいます。
~初乳~
たんぱく質(ラクトアルブミンなど)や
免疫に関わる分泌型IgAなどの濃度が高く、感染防止に大きな役割を持ちます。
~成乳~
生後1ヵ月には、分泌量が1日780mL程度に増加します。
また、脂質と乳糖の濃度が増え、初乳に比べエネルギー量が多くなります。
■母乳と牛乳の成分比較
・炭水化物
母乳>牛乳
炭水化物は、母乳に多く含まれます。
・たんぱく質
母乳<牛乳
たんぱく質は、牛乳に多く含まれます。
・カルシウム
母乳<牛乳
カルシウムは、牛乳に多く含まれます。