【臨床】ネフローゼ症候群
今日は、臨床栄養学から「ネフローゼ症候群」について勉強します。
ネフローゼ症候群とは、腎臓の病気の一つで、
尿に大量のたんぱく質が出る病気です。
通常、腎臓ではたんぱく質はろ過されませんが、
ネフローゼ症候群では、ろ過する穴が広がってしまい、
そこからたんぱく質が漏れ出ていきます。
尿から大量のたんぱく質が出てしまうと、血液中のたんぱく質が減少し、
低アルブミン血症(低たんぱく血症)、浮腫、脂質異常症が起こります。
ネフローゼ症候群の分類
ネフローゼ症候群には、
一次性(原発性)ネフローゼ症候群:糸球体そのものに原因があるもの
二次性(持続性)ネフローゼ症候群:糖尿病など腎臓以外の病気が原因となるもの
があります。
それでは、国家試験でもよく問われる診断基準と食事療法についてみていきましょう。
診断基準
ネフローゼ症候群と診断するには、
①と②の両方が認められなければいけません。
つまり、どちらか一方のみが認められても、
ネフローゼ症候群とは診断されないということです。
浮腫と脂質異常症は、ネフローゼ症候群と診断する
必須条件ではありませんが、重要な所見となります。
浮腫が起こる原因は、水を引き付ける力のあるたんぱく質(主にアルブミン)
が血管の中から減ることによって、血管の外に水分が漏れだすためです。
食事療法
食事療法は、微小変化型ネフローゼ症候群以外と
(治療反応性良好な)微小変化型ネフローゼ症候群に分けられます。
ネフローゼ症候群の食事療法の基本は、
高エネルギー、低たんぱく質となります。
水分制限は、基本的には行いませんが
重度の浮腫がみられる場合は、水分制限を行う場合もあります。