【食べ物】難消化性糖質
今回は「食べ物と健康」から難消化性糖質について勉強します。
難消化性糖質とは
難消化性糖質とは、その名の通り「(ヒトの消化酵素によって)消化されない糖質」です。
本来、糖質はヒトにとってのエネルギー源となるべきものですが、
難消化性糖質は消化することができないので、エネルギー源としての利用価値はありません。
難消化性糖質に期待されるのは、血糖値の上昇抑制作用や整腸作用といった健康増進・疾病予防的な性質です。
難消化性糖質の種類とその働き(生理的効果)
難消化性糖質には種類がいくつかあるので、代表的なものをご紹介いたします。
レジスタントスターチ(難消化性でん粉)
でん粉でありながら消化性が低いでん粉をレジスタントスターチといいます。
レジスタントスターチは、でん粉系の食品に少量含まれている、またはでん粉の温度変化によって生成します。
消化されにくい性質を逆手に取って、摂取エネルギー量の抑制や空腹感の抑制、血糖値の上昇抑制効果などが期待されています。
難消化性デキストリン
難消化性デキストリンは、加熱処理したでん粉を分解して製造されます。
この難消化性デキストリンと他の栄養素を同時に摂取すると、栄養素の腸管吸収率が低下します。
その性質を利用して、特定保健用食品や機能性表示食品の関与成分として用いられることが多いです。
具体的には、「中性脂肪の吸収を抑える」「血糖値の上昇を抑える」などの効果を表示して販売されています。
難消化性オリゴ糖
消化性の低い少糖類を難消化性オリゴ糖といい、フラクトオリゴ糖やガラクトオリゴ糖などがあります。
オリゴ糖には腸内環境を改善する作用(整腸作用)があるため、
「お腹の調子を整える」効果のある特定保健用食品の関与成分として用いられることも多いです。
糖アルコール
糖アルコールは、糖を還元(水素の付加)して製造されます。
キシリトールやソルビトール、マルチトールなどが有名ですね。
糖アルコールは消化されにくいだけでなく、甘味が強いものが多いので甘味料として利用されることが多いです。
それだけでなく、糖アルコールには抗う蝕性(虫歯になりにくい性質)もあるため、糖アルコールを利用したむし歯になりにくいガムなども販売されています。
まとめ
難消化性糖質には
- 消化・吸収されにくい
- 血糖値の上昇抑制作用
- 中性脂肪の吸収抑制作用
- 整腸作用
- 抗う蝕作用
などのヒトにとって有用な生理的効果があると整理しておきましょう。