【基礎】酵素_基質特異性_アイソザイム
基礎栄養学から「酵素」について勉強します。
酵素にまつわる内容は多岐にわたりますが、今回は、基本中の基本である「活性化エネルギー」、「基質特異性」と「アイソザイム」について解説いたします。
活性化エネルギー
酵素の働きを端的に表現すると、「化学反応を進みやすくすること」です。
例え話でイメージしてみましょう。
今から、基質AをBに化学変化させたいとします。
この化学反応を酵素なしで進めようとすると、エネルギーが100必要です。
しかし!ここに酵素があれば、たった50のエネルギーで化学反応を進めることができるようになります!
このように、化学反応に必要なエネルギーを小さくしてくれるのが、酵素の役割です。
これを専門用語で、「活性化エネルギーを低下させる」といいます。
基質特異性
マルトース(基質)を分解する酵素はマルターゼ、スクロース(基質)を分解する酵素はスクラーゼ…といった具合に、基質に対して作用する酵素の種類は決まっていますよね。
このように、基質と酵素が1対1の関係性にあることを基質特異性といいます。
アイソザイム
アイソザイムとは、同じ化学反応を起こすことができるけれど、酵素を構成するたんぱく質の一次構造が異なる2種以上の酵素をいいます。
これだけだとわかりにくいので、具体的な酵素をご紹介します。
例えば、乳酸脱水素酵素(LDH)がアイソザイムの代表です。
LDHは肝臓や筋肉、心臓、赤血球などに存在し、LDH1、LDH2、LDH3、LDH4、LDH5の5種類があります。
LDH1~5は、同じ化学反応を起こすことができますが、それぞれの酵素の形(一次構造)が若干ながら異なります。
このLDH1~5のような酵素をアイソザイムというわけです。