【人体】消化管ホルモン
今回は人体の構造と機能から、消化管ホルモンについて勉強します。
非常に種類の多いホルモンですが、消化管ホルモンに限定してもかなりの数が存在します。
消化管ホルモンは出題頻度の高い項目ですから、しっかり整理しておきましょう。
主な消化管ホルモンの働き
まずは出題頻度の高い消化管ホルモンを3つ紹介します。
ガストリン、セクレチン、コレシストキニンです。
ガストリン
- 分泌場所:胃のG細胞
- 作用:胃酸分泌促進
ガストリンは胃酸の分泌を促進する働きがあります。
つまり、胃における食物の消化を促すために分泌されるホルモンといえます。
ちなみにガストリン分泌が高まるタイミングですが、もちろん胃に食物(食塊)が入ったときです。
セクレチン
- 分泌場所:小腸のS細胞
- 作用:胃酸分泌抑制、膵液(重炭酸イオン)分泌促進
セクレチンが分泌されるタイミングは、食物が十二指腸へ移動したとき、すなわち胃での消化が終わったときです。
この状況で胃酸分泌を続ける必要はないので、セクレチンは胃酸分泌を抑制します。
そしてもう1つの働きは、膵液の分泌を促進することです。
胃から十二指腸に流れ込んできた食物は、胃酸の影響で強い酸性の状態です。
それを中和するために、重炭酸イオンを多く含む膵液の分泌を促すのです。
コレシストキニン
- 分泌場所:小腸のI細胞
- 作用:膵液(膵酵素)分泌促進、胆のう収縮
コレシストキニンもセクレチンと同じく、膵液の分泌を促すホルモンです。
ただし、この膵液は、消化酵素を多く含む膵液という点に注意しておきましょう。
コレシストキニンのもう1つの働きは、胆のうを収縮させる働きがあります。
胆のうには胆汁が貯蔵されていますから、「胆のうが収縮=胆汁の分泌促進」を意味します。
その他の消化管ホルモン
近年の国家試験で見かける機会が増えた注目の消化管ホルモンを3つご紹介!
それはインクレチン、ソマトスタチン、グレリンです。
インクレチン(GLP-1、GIP)
- 分泌場所:小腸
- 作用:インスリン分泌促進
インクレチンは、ホルモンでありながら、別のホルモンの分泌を促進するという変わった働きがあります。
インクレチンによって分泌が促進されるホルモンは、インスリンです。
ソマトスタチン
- 分泌場所:胃、小腸、膵臓
- 作用:ガストリン・セクレチン・インスリン・グルカゴンの分泌抑制
お次は反対に、別のホルモンの分泌を抑制するホルモン、ソマトスタチンです。
インスリンやグルカゴンなどの分泌を抑制する働きがあります。
グレリン
- 分泌場所:胃
- 作用:食欲促進
最後はグレリンです。
食欲は、いろいろな要素により調整されていますが、消化管ホルモンであるグレリンもその1つ。
グレリンには、食欲を促進する働きがあるのです。