【社会】粗死亡率と年齢調整死亡率
今回は、社会・環境と健康から「粗死亡率と年齢調整死亡率」について勉強します。
まずは、「粗死亡率」からですが、単純に「死亡率」と呼ばれることもあります。
粗死亡率とは、ある一定人口において、どのくらい「死」がみられたかを示し、
1年間の死亡数を人口で除して算出します。
ここで注意しなければならない点は、
年齢構成の異なる人口集団の死亡率を比較したい場合に「粗死亡率」を用いては、正確な評価ができないということです。
「死」という現象は、高齢者ほど起こりやすいものです。
高齢者の多い集団では、粗死亡率が高くなり、高齢者の少ない集団(若い人が多い集団)では、粗死亡率が低くなるのは、自然なことです。
そこで、年齢構成の異なる集団を比較する、要するに国際比較や年次推移を観察したい場合には、
人口の年齢構成の差を取り除いた死亡率、「年齢調整死亡率」が用いられます。
「年齢調整死亡率」は、計算によって求められており、算出方法には直接法と間接法があります。
■直接法
一般に、観察集団が大きい場合に用いられます。
基準集団と“同じ年齢構成”と仮定し算出し、日本国内の場合、基準集団には「昭和60年モデル人口」を用います。
■間接法
一般に、観察集団が小さい場合に用いられます。
基準集団と“同じ年齢階級別死亡率”と仮定し算出します。
以上、「粗死亡率」と「年齢調整死亡率」の違いについて、しっかりと整理しておきましょう。