【公衆】健康・栄養政策
現在、世界では約8億500万人(9人に1人)が、飢餓に苦しんでいるとされています。
健康・栄養問題は、特定の国だけの問題ではありませんので、国境を越えた政策が重要となります。
そこで、本日は、世界的にみた「健康・栄養政策」について勉強していきます。
● 世界栄養宣言
国際栄養会議(WHO/FAO共催)において採択され、世界の人々の栄養状態改善のための行動計画と宣言文です。
その一環として、「食物ベース食生活指針」が開発されました。
食物ベース食生活指針は、
従来の専門家主導の“栄養素”の数値目標をベースとした指針から、
その国や地域で入手可能な“食物”をベースとした指針に変えることで、人々に理解しやすいものとなっています。
● ミレニアム宣言
極度の貧困と飢餓の撲滅など、2015年までに達成すべき8つの目標を掲げた「ミレニアム開発目標(MDGs)」が示されました。
ちなみに、ミレニアム開発目標(MDGs)は2015年までとなりますので、
この後継として、持続可能な開発目標(SDGs)が採択されています。
● 母乳促進プログラム
母乳は、栄養的にも衛生的にも優れているため、特に開発途上国では母乳栄養が推奨されています。
そこで、世界保健機関(WHO)と国連児童基金(UNICEF)は、「母乳育児を成功させるための十か条」を共同で発表しました。
● 微量栄養素欠乏改善プログラム
微量栄養素欠乏症の中で、特に問題視されているのが、
・ヨウ素(ヨード)欠乏:甲状腺腫
・ビタミンA欠乏:失明
・鉄欠乏:貧血
・亜鉛欠乏:成長阻害、免疫不全
となっています。
国連などの機関が、微量栄養素を添加・強化した食品を配布し、対策を行っています。
● 学校給食プログラム
国連世界食糧計画(WFP)が実施しています。
開発途上国の学校において、給食を提供することで、
子どもたちの飢餓対策になることはもちろん、
“給食が食べられるから学校へ行こう”というように、就学率・出席率の向上に寄与しています。
こういった健康・栄養政策を世界的に行うことで、世界の飢餓人口の減少を目指しています。