【基礎】空腹時の代謝
今回は、基礎栄養学から「空腹時の代謝」について勉強します。
以前お話した「食後の代謝」と合わせて考えてみましょう。
食後の代謝https://sgs.liranet.jp/sgs-blog/?p=2046
お腹が空いている時は、“痩せる時”ともいえます。
なぜ痩せるのかというと、体内に蓄えていた栄養素を消費している=分解しているからです。
分解した栄養素をエネルギーとして使うため、私たちは少々ご飯を食べなくても、動くことができるというわけです。
キーワードは「分解して、放出する!」です。
空腹時の代謝
空腹時:糖質の代謝
空腹時は、肝臓や筋肉に蓄えていたグリコーゲンを分解し放出します。
ただし、肝臓と筋肉ではグリコーゲンの分解経路が違います。
肝臓グリコーゲン:肝臓はグルコース-6-ホスファターゼを持つので、グリコーゲンからグルコースを作り出すことができます。
筋肉グリコーゲン:筋肉はグルコース-6-ホスファターゼを持たないため、グリコーゲンからグルコースを作り出すことができず、筋肉におけるエネルギー源としてのみ利用されます。
空腹時:脂質の代謝
空腹時は、脂肪組織に蓄えていた中性脂肪を分解し放出します。
グリセロールは、新たにグルコースを作り出す糖新生に利用されます。
脂肪酸は、ミトコンドリア内でエネルギー(ATP)に変えられます。
空腹時:たんぱく質の代謝
空腹時は、筋たんぱく質のアミノ酸(主にアラニン)を分解し放出します。
放出されたアラニンは、筋肉から肝臓に運ばれ、グルコースに転換(糖新生)されます。
この糖新生の経路を、グルコースアラニン回路といいます。
空腹時には、「蓄えたものを分解して、血液中に放出する!」というイメージをもっておきましょう。