【食べ物】でん粉の糊化/老化
今回は、食べ物と健康から「でん粉の糊化/老化」について勉強します。
でん粉は、アミロースとアミロペクチンから構成され、穀類やいも類等に多く含まれています。
このでん粉、食品中では生でん粉(β-でん粉)の状態でいることが多いのですが、
加熱調理などの温度変化により、構造が変化します。
それでは、どのようにでん粉が変化するのか確認していきましょう。
でん粉の糊化
生でん粉(β-でん粉)は、でん粉分子がスキマ無く規則的に並んだミセル構造となっており、水や酵素がなじみにくい状態です。
つまり、硬くて消化しにくい状態といえます。
白米で例えると、まだ炊飯していないカチカチのお米の状態です。
このβ-でん粉に水を加えて加熱すると、粘性が増大し柔らかくなります。
この現象を「糊化(α化)」といいます。
ちなみに、糊化したでん粉のことをα-でん粉といいます。
α-でん粉は、加熱によりミセル構造が壊れることで消化酵素の影響を受けやすくなり、消化吸収されやすくなります。
白米は生のまま食べるのではなく、水を加えて加熱し「飯」の状態で食べるのはこのためです。
でん粉の老化
ただし、α-でん粉はいつまでも柔らかい状態というわけではありません。
時間が経つと、再びミセル構造を形成し硬くなってしまいます。
この現象を「老化(β化)」といいます。
老化したでん粉は、粘性を失い消化性も悪くなります。
ご飯を放置しておくと硬くなり、食味や消化性が悪くなるのはこのためです。
でん粉の老化防止
老化は、水分含量30~60%、0~4℃付近で最も速く進行するため、
老化を防止するために、
・80℃以上で乾燥する
・0℃以下で急速に脱水させ水分含量を10~15%以下にする
・砂糖などの保水性物質を添加する
といった対応がとられています。
これらの老化の防止方法についても試験で問われますので覚えておきましょう。