【応用】離乳の支援ガイド(2019年版)
この度2019年3月、「授乳・離乳の支援ガイド」が改訂されました。
2019年改訂におけるポイントは、
1.授乳・離乳を取り巻く最新の科学的知見等を踏まえた適切な支援の充実
2.食物アレルギー予防に関する支援の充実
となります。
特に、管理栄養士国家試験に影響のあるものとしては、
「1.授乳・離乳を取り巻く最新の科学的知見等を踏まえた適切な支援の充実」により、離乳の進め方の目安に変更がありました。
そこで今回は、最新の授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定版)をもとに「離乳の進め方」についてお伝えいたします。
離乳とは
離乳とは、成長に伴い、母乳または育児用ミルク等の乳汁だけでは不足してくるエネルギーや栄養素を補完するために、乳汁から幼児食に移行する過程をいい、その時に与えられる食事を離乳食といいます。
離乳の開始とは
離乳の開始とは、なめらかにすりつぶした状態の食物を初めて与えた時をいい、時期としては、生後5~6ヵ月頃となります。
離乳の進め方
■離乳初期(生後5~6ヵ月頃)
○食べ方の目安
・1日1回与えます。
・新しい食品を始める時には離乳食用のスプーンで1さじずつ与え、子どもの様子をみながら量を増やします。
・離乳食に慣れてきたら野菜・果物を、さらに慣れたら豆腐や白身魚、固ゆでした卵黄など、種類を増やします。
○食形態
・なめらかにすりつぶした状態の食物
○注意事項
・離乳の開始前に果汁やイオン飲料を与えることの栄養学的な意義は認められていません。
離乳中期(生後7~8ヵ月頃)
○食べ方の目安
・1日2回与えます。
・離乳食が進むにつれ、魚は白身魚から赤身魚、青皮魚へ、卵は卵黄から全卵へと進めます。
○食形態
・舌でつぶせる固さの食物
離乳後期(生後9~11ヵ月頃)
○食べ方の目安
・1日3回与えます。
○注意事項
・離乳が順調に進まず鉄欠乏のリスクが高い場合や、適当な体重増加が見られない場合に必要に応じて活用するフォローアップミルクは、母乳代替食品ではありません。
○食形態
・歯ぐきでつぶせる固さの食物
離乳の完了期(生後12~18ヵ月頃)
○食べ方の目安
・1日3回与え、その他に1日1~2回の補食を必要に応じて与えます。
・牛乳を飲用として与える場合は、1歳を過ぎてからが望ましいとされています。
○食形態
・歯ぐきで噛める固さの食物
○注意事項
・蜂蜜は、乳児ボツリヌス症を引き起こすリスクがあるため、1歳を過ぎるまでは与えてはなりません。
離乳の完了とは
離乳の完了とは、形のある食物をかみつぶすことができるようになり、エネルギーや栄養素の大部分が母乳または育児用ミルク以外の食物から摂取できるようになった状態をいいます。
決して、母乳または育児用ミルクを飲んでいない状態を意味するものではありませんので注意しましょう。
時期としては、生後12~18ヵ月頃となります。
各時期における「食べ方の目安」「食形態」「注意事項」は、毎年類似した問題が出題されますので、しっかりと整理しておきましょう。