【基礎】水分代謝
今回は、基礎栄養学から「水分代謝」を勉強しましょう。
私たちの体の中で最も多い成分は水分で、体重の約60%を占めています。
体重50kgの人だと、約30kgの水分が体内にあることになります。
体内の水分の内訳を確認しておきましょう。
水分の内訳
■細胞内液
細胞内液は、細胞の中にある水分のことです。
体水分量の約2/3(体重の約40%)を占めます。
■細胞外液
細胞外液は、細胞の外にある水分で間質液と血漿に分けられます。
間質液と書くとイメージしづらいかもしませんが、細胞間や組織間にある水分のことです。
細胞外液は、体水分量の約1/3(体重の約20%)を占めます。
では、体にはどのくらいの量の水分が必要だと思いますか?
成人では1日に2~2.5ℓの水分を摂りましょうといわれますが、これは決して飲み物からの水分量に限りません。
食事からの水分量も含みます。
体内での水の出入りを確認しておきましょう。
水分の出入り
■摂取する水分量
◆飲料水
飲料水として摂取する水分は約1,100mL/日です。
◆食物中の水
食物中に含まれる水分は約1,000mL/日です。
◆代謝水
栄養素が体内で代謝されて生じる水です。
代謝水は、約300mL/日です。
■排泄する水分量
◆尿
尿として、約1,500mL/日排泄されます。
尿は、不可避尿と随意尿に分けられます。
・随意尿
摂取した水分量の調節に関わります。随意尿は、約1,000mL/日です。
・不可避尿
体内で産生される老廃物を排泄するために必要な尿のことです。
たとえ水分を摂取しなくても、400~500mL/日は尿として排泄されます。
◆不感蒸泄
汗とは別に自然に皮膚から蒸発していく水分や、呼気から出ていく水分のことです。
不感蒸泄量は、約900mL/日です。
◆糞便
消化液として分泌された水分が、糞便中に約100mL/日排泄されます。
このように、水分を摂り、排泄することで体内の水分バランスが保たれています。
用語の意味をしっかりと確認しておきましょう。