【基礎】阻害剤
今回は、「阻害剤」について学んでいきます。
阻害剤とは、酵素に作用して、その反応効率を低下させる物質をいいます。
阻害剤を用いることによって、代謝の反応速度をコントロールすることができますので、医薬品などにも用いられています。
酵素の反応効率を低下させる方法には、「競合阻害」と「非競合阻害」の2つがあります。
競合阻害と非競合阻害の違い
■競合阻害(競争阻害、拮抗阻害)
競合阻害は、阻害剤の形が基質と似ているため、本来、基質が結合する場所(活性部位)を阻害剤が横取りし、反応を阻害します。
基質と競い合っていますので、“競合”阻害と呼びます。
競合阻害は、基質が多くなればなるほど、基質の方が場所取りに勝つようになり、
阻害剤の影響を受けなくなります。
■非競合阻害(非競争阻害、非拮抗阻害)
非競合阻害は、阻害剤が酵素の活性部位以外に結合し、酵素の形を変化させ、反応を阻害します。
基質と競い合うことはありませんので、“非競合”阻害と呼びます。
非競合阻害は、基質濃度を高くしても、基質とは結合する場所が異なりますので、
阻害剤の影響を受け続けます。
競合阻害、非競合阻害の違いについておさえておきましょう。