【臨床】透析
今回は、臨床栄養学から「透析」について勉強します。
腎臓は、全身の血液をきれいにし、
老廃物や余分な水分などを尿として体外に排泄する働きをもちます。
腎臓の働きが低下し、老廃物や余分な水分を体の中から
取り除くことができなくなった場合、
人工的に老廃物や余分な水分を取り除く「透析」を行います。
■透析の種類
透析には、「血液透析」と「腹膜透析」の2種類の方法があります。
○血液透析
血液を体外へ取り出し、血液透析装置(ダイアライザー)を介して老廃物を除去後、再び体内に戻す方法です。
週3回程度、医療施設への通院を要します。
○腹膜透析
本人の腹腔内に透析液を注入し、自身の腹膜を介して血液中の老廃物を除去する方法です。
自宅で行うことも可能ですが、1日複数回透析液を交換する必要があります。
■食事療法
続いて、血液透析・腹膜透析時の食事療法を確認しましょう。
腎臓病食では、低たんぱく質食による厳しい食事制限が必要ですが、
透析に移行すると、たんぱく質制限は緩和されます。
一方で、余分な水分を排泄する腎臓の働きを担うため、水分管理が必要となります。
また、腹膜透析では自身の腹膜を利用し老廃物の除去を行いますので、
透析液に含まれるブドウ糖が血液中に移動し、
ブドウ糖を吸収してしまうという現象が起こります。
そのため、腹膜透析による食事では、腹膜から吸収したエネルギー分を差し引いて摂取エネルギー量を設定することが大切です。
血液透析、腹膜透析の特徴を理解した上で食事療法の基準を整理していきましょう。