【臨床】クワシオルコルとマラスムス
今日は臨床栄養学から「クワシオルコルとマラスムス」について勉強します。
クワシオルコルとマラスムスは、栄養障害を示す言葉です。
それぞれ、何が欠乏し、どのような症状がみられるのか整理しておきましょう。
■クワシオルコル
「たんぱく質の欠乏」が主体となって起こる栄養障害です。
(エネルギー摂取量は比較的保たれています。)
特徴として、低栄養性の脂肪肝や低アルブミン血症、浮腫などが見られます。
○低栄養性の脂肪肝が起こる流れ
通常、肝臓の脂質は、リポたんぱく質という船に乗り末梢組織へ運搬されます。
しかし、たんぱく質欠乏状態では、リポたんぱく質の形成が上手くできず、肝臓に脂質が蓄積し“脂肪肝”が起こります。
○浮腫が起こる流れ
たんぱく質には、血管内に水を引きつけておく力(膠質浸透圧)があります。
たんぱく質が十分あれば、血管内に水を保持しておくことができます。
しかし、クワシオルコルのようにたんぱく質が欠乏してしまうと、
水を引っ張る力も弱くなってしまいます(膠質浸透圧の低下)。
その結果、血管外に水が漏れ出し“浮腫”が起こります。
■マラスムス
「エネルギーの欠乏」が主体となって起こる栄養障害です。
(同時に、たんぱく質摂取量も減少しています。)
特徴として、著明な体重減少などが見られます。
しっかりと区別しておきましょう。