【臨床】高尿酸血症・痛風
今回は、臨床栄養学から「高尿酸血症・痛風」について勉強します。
【病態】
・高尿酸血症
尿酸の産生過剰や排泄低下により、
血清尿酸値が「7.0mg/dL」以上に増加した状態
・痛風
高尿酸血症が持続することで尿酸が結晶化し、
激しい炎症が出た状態
ちなみに、痛風の初期症状としては急性関節炎がみられ、
特に「第一中足趾節関節」(足の親指の付け根辺り)に生じやすくなります。
【栄養・食事療法】
・適正なエネルギー量の摂取
肥満、脂質異常症、糖代謝異常を合併している患者が多いため、適正なエネルギー量とします。
・プリン体の制限
プリン体含有量の多い食品(動物の内臓など)は控え、
1日の摂取量がプリン体として400mgを超えないようにします。
・アルコールの制限
アルコール摂取は、血清尿酸値を上昇させるため制限します。
・水分の摂取
腎臓からの尿酸排泄量を増加させるため、
1日の尿量が2L以上となるように水分を十分に摂取します。
・野菜や藻類の摂取
尿のアルカリ化のため、野菜や藻類を摂取します。
尿のアルカリ化により、尿中での尿酸の溶解度を高める効果が期待できます。
【薬物療法】
・高尿酸血症
尿酸生成抑制薬である「アロプリノール」などを服用
・痛風
痛風発作の前兆がみられる場合は「コルヒチン」を、
痛風発作の極期は「非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)」などを服用
薬物療法で注意しておきたい点として、
尿酸値の急激な変化は、痛風発作の悪化に繋がるため、
痛みのある間は、アロプリノールなどの尿酸降下薬は使用しません。