【基礎】リポたんぱく質
今日は、脂質の化学から「リポたんぱく質」について考えていきます。
“水と油は仲が悪い”というイメージは、みなさん持っていらっしゃると思います。
これは人の体の中でも同じです。
脂質(油)は、血液(水)と混ざり合うことができません。
そのままの状態では、脂質を体の必要な所へ運ぶことができませんので、運ぶための船が準備されています。
それが、「リポたんぱく質」です。
リポたんぱく質の構造
球状のボールをイメージすると分かりやすいですね。
ボールの中に、トリアシルグリセロールとコレステロールを入れています。
ちなみに、ボールの表面は、アポたんぱく質やリン脂質で構成されています。
水溶性のアポたんぱく質などで覆うことで、脂溶性の脂質も血中に流れることが可能となるわけです!
このリポたんぱく質の構造は、専門用語で言うと
- コア部分(中心部分):トリアシルグリセロールやコレステロールなどの脂質
- 表面部分:アポたんぱく質やリン脂質など
となります。
ざっくりとリポたんぱく質と言いましたが、リポたんぱく質は、大きく分けて以下の4種類に分類することができます。
リポたんぱく質の種類
■キロミクロン
食事から摂取した(外因性)トリアシルグリセロールを輸送
小腸で合成される。
■VLDL
生体内で合成した(内因性)トリアシルグリセロールを輸送
肝臓で合成される。
■LDL
コレステロールを、肝臓から末梢組織へ輸送
■HDL
コレステロールを、末梢組織から肝臓へ輸送
小腸や肝臓で合成される。
リポたんぱく質は、“主に何を運んでいるのか”“どこからどこへ運んでいるのか”に注目して覚えましょう。