【食べ物】食物繊維、難消化性糖質
今回は食べ物と健康から『食物繊維』『難消化性糖質』について勉強します。
食物繊維
食物繊維は、ヒトの消化酵素により消化されない食物です。
つまり、エネルギー源とはなりません。
食物繊維には大きく分けて水溶性食物繊維と不溶性食物繊維があります。
それでは、この2つの食物繊維の生理的効果の違いについて詳しくみていきましょう。
まず、水溶性食物繊維は文字通り水に溶けやすく、高い粘性をもっています。
そのため、胃から小腸への食物の移動速度が遅くなる、すなわち胃内滞留時間が長くなります。
その結果、小腸における栄養素の吸収速度が遅くなります。
生理的効果として、食後の血糖値の上昇を抑えたり、
血中コレステロールの上昇を抑制したりする働きがあります。
具体的な水溶性食物繊維には、ペクチン、グルコマンナン、グアーガム、アルギン酸などがあります。
続いて不溶性食物繊維についてみていきましょう。
不溶性食物繊維は水に溶けにくく、消化管内で膨らむ性質があります。
そのため、便重量を増加させ、便秘を防ぐ働きがあります。
具体的な不溶性食物繊維には、寒天、セルロース、ヘミセルロース、キチンなどがあります。
難消化性糖質
次は、難消化性糖質についてみていきましょう。
難消化性糖質は食物繊維と同様に、ヒトの消化酵素により消化されない糖質です。
難消化性糖質には、レジスタントスターチ(難消化性でん粉)、難消化性デキストリン、難消化性オリゴ糖、糖アルコールなどがあります。
●レジスタントスターチ(難消化性でん粉)
レジスタントスターチは、でん粉でありながら消化されずエネルギー源に利用されないでん粉です。
過栄養が一因となる生活習慣病の予防・改善に役立つと注目されています。
●難消化性デキストリン
難消化性デキストリンは、加熱処理したでん粉をアミラーゼで加水分解した残渣です。
整腸作用、血糖値抑制作用、中性脂肪抑制作用などがあります。
●難消化性オリゴ糖
難消化性オリゴ糖には、フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖があります。
フラクトオリゴ糖やガラクトオリゴ糖は、ヒトにとって有用な腸内細菌を増やしてくれる作用があります。
●糖アルコール
糖アルコールには、ソルビトール、マルチトールがあります。
甘味があり、吸収されにくい性質があるため、低エネルギー甘味料として利用されます。