【臨床】SIADH/尿崩症
今回は、内分泌疾患のなかでも「抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)」と「尿崩症」について整理します。
この2つの疾患で鍵となるのが「抗利尿ホルモン(バソプレシン)」です。
抗利尿ホルモン(バソプレシン)は、腎臓における水の再吸収を促進させる働きがあります。
つまり、体内の水分量を増やす働きがあります。
抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)|抗利尿ホルモン分泌過剰
抗利尿ホルモンの分泌が過剰となり、必要以上に水の再吸収が行われます。
■血液に注目!
血液中の水分が増加し、“血が薄まった状態”となるため、低ナトリウム血症、低浸透圧血症がみられます。
■尿に注目!
尿に捨てるはずであった水分が体内に取り戻され、“尿が濃くなった状態”となるため、高張尿がみられます。
尿崩症|抗利尿ホルモン分泌低下
抗利尿ホルモンの分泌が低下し、水の再吸収ができなくなります。
■血液に注目!
血液中の水分が減少し、“血が濃くなった状態”となるため、
高ナトリウム血症、高浸透圧血症がみられます。
■尿に注目!
体内に水分を取り戻すことができなくなり、大量の水分が尿へと排泄されます。
“尿が薄まった状態”となるため、低張尿がみられます。