【人体】レニン・アンギオテンシン系
体温、血糖、血圧など、私たちのからだには、体の内部の状態を一定に保とうとする“恒常性(ホメオスタシス)”が備わっています。
例えば「血圧」で言うなら、血圧が一定範囲よりも上昇すれば、からだは血圧を下げようとし、血圧が一定範囲よりも低下すれば、からだは血圧を上げようとするこの仕組みを“恒常性(ホメオスタシス)”と呼びます。
今回は、血圧の恒常性を維持する仕組みの一つである「レニン・アンギオテンシン系」を学んでいきます。
レニン・アンギオテンシン系の反応
血圧の低下を腎臓が検知
腎血流量が減少すると、血圧の低下を腎臓が検知します。
レニンの分泌
血圧を上げようと、腎臓の傍糸球体細胞からレニンが分泌されます。
アンギオテンシンⅡの生成
レニンは、血中のアンギオテンシノーゲンを活性化しアンギオテンシンⅠを産生します。
さらに、アンギオテンシンⅠは、アンギオテンシン変換酵素(ACE)の働きを受けて、アンギオテンシンⅡへと変化します。
アンギオテンシンⅡは、血管収縮作用やアルドステロンの分泌を促進する作用をもちます。
アルドステロンの分泌
アルドステロンは、尿細管におけるナトリウムの再吸収を促進させる作用をもちます。
血液中のナトリウム濃度が上昇するため(浸透圧が上昇するため)、これを薄めようと、水の再吸収が促されます。
バソプレシンの分泌
水の再吸収を促進する作用をもつホルモンは、バソプレシンです。
バソプレシンにより水の再吸収が促され、循環血液量が増加しますので、血圧が上昇します。
上記では、血圧低下時の“血圧を上げる仕組み”について学んできましたが、血圧上昇時は、これら「レニン・アンギオテンシン系」の反応を止めることで血圧を下げていきます。
このようにして、血圧の恒常性は維持されています。